肝臓がんの名医に聞く原因と治療 肝炎検査の必要性

2017/01/01

肝臓がんの原因はアルコールだとばかり思っていましたが、名医によると、日本では決してそうではないそうです。
それよりも怖いC型肝炎とB型肝炎。

肝臓がんは原因を正しく知って適切な治療を行っていけば、手術による5年生存率は約60%と大幅に進歩しています。

まずは、検査を受け、早期治療していきましょう。

 

肝臓がんの名医が語る肝臓がんの本当の原因

肝臓がんの名医高山忠利医師のお話を読む機会があり、自分の肝臓がんに対する考えが間違っていたことがわかりました。
私は肝臓がんの原因はアルコールだと思っていたのです。

日本ではアルコールが原因の肝臓がんは統計上3%?!

「肝臓がんといえば、そりゃお酒の飲みすぎ!
アルコールが原因でしょう!
私はアルコール飲まないから、肝臓がんにはならないわ」

こう思っていた私に衝撃が走ったのは、高山医師の「アルコールが原因となる肝臓がんは全体の約3%」という言葉でした。

えっ?たった3%?

そう、確かに欧米では、お酒を飲める遺伝子を持つ人が多く、その人たちが若いころから大量にアルコールを摂取するので、肝臓がんの原因としてアルコールの度合いが高いのだそうですが・・・。

日本では、アルコールが直接の原因になって肝臓がんになることはそれほど多くなく、肝臓がん患者の約3%だということです。
つまり、「肝臓がん=お酒の飲みすぎ」ではないのです。

となると、検診結果で肝機能の数値を見て、アルコール飲まないから大丈夫と安心とは言い切れないわけですね。

肝臓がんの原因は肝炎ウィルス?!

では、いったい日本人の肝臓がんの原因は何なのでしょう?
それは、肝炎ウィルスです。

日本人が肝臓がんになる原因の約60%がC型肝炎。
約15%がB型肝炎です。

肝臓がんの原因

  • C型肝炎 : 約60%
  • B型肝炎 : 約15%
  • アルコール : 約3%
  • その他  : 約22%
 

肝臓がんの治療は格段に進歩

昔は、ガン、それも肝臓がんと診断されたら余命は半年といわれていました。

でも、今は手術技術の飛躍的な進歩と治療方法や治療薬の進歩があり、格段に生存率が向上しています。

5年生存率は約60%に向上

30年くらい昔なら、肝臓がんの診断で余命半年、ここで手術をしても5年生存率は約20%と言われていました。

ところが現在では、この手術後の5年生存率が約60%と飛躍的に向上しています。
その背景には、手術の進歩と
 ・ラジオ波焼灼療法
 ・肝動脈塞栓療法
の登場などがあります。

治療の進歩には、日本の医師らが大きく貢献しているということで、日本の治療技術は世界でもトップクラスということです。

肝臓がんの治療方法は症状によってさまざま

肝臓がんの治療方法は、がんの大きさや個数、肝機能の状態などによって決まっていきます。
また他のがんと同様に、早期発見ができればそれだけ治療の選択肢も増え、その後の再発や転移の危険性も低減するでしょう。

肝臓がんはできるだけ早く初期の段階で発見し、病院で適切な治療を受けることが大切です。

 

肝臓がんには、まず肝炎ウィルスの検査をしよう!

それでは、どんな検査を受けたらいいのでしょう?

まずは、肝炎ウィルスの検査を受けましょう!

前述のように、肝臓がんの原因はアルコールよりもC型肝炎やB型肝炎によるものが大半を占めます。

そこで、肝炎ウイルスの検査を受けたことがない人は必ずこれを受けてください。
肝炎ウィルスの検査は血液検査ですので、採血するだけで簡単に受けられます。

ただ、一般的な定期健康診断での血液検査にはこの項目が含まれていないので、自ら申し出て肝炎ウィルスのチェックをしてもらうことになります。

特に注意が必要なのは、1989年以前に手術などで輸血を受けた人です。
この年にはC型肝炎ウィルスが発見されたのですが、それ以前の輸血ではこのC型肝炎の存在がわかっていなかったため、輸血によって感染している危険性があるからです。

陽性反応が出たらすぐに治療を開始しましょう!

肝炎ウィルス検査で陽性だった人は、すぐに治療を開始してください。
現在は効果的にウィルスを除去する新薬もありますし、肝庇護療法で肝臓がんになるリスクを低減することができるそうです。

治療後も、1年に1回くらいは、超音波検査などを受けていくと安心です。

もちろんお酒も控えめに!

もちろん、アルコールによる肝臓がんもありますし、アルコール肝障害を起こす危険性もありますので、飲みすぎには十分注意してください。

肝臓は「沈黙の臓器」と言われて、悪くなっていても自覚症状がないことが多いのです。
そこで、定期健診の際などには「γ-GTP」などの値を見て肝臓の状態を知ってください。

 

肝臓がん のまとめ

肝臓がんの原因はアルコールだとばかり思っていた私には衝撃でした。
肝臓がんの原因は、お酒よりもC型肝炎B型肝炎のウィルスによるものがその大半なのですね。

でも、いまは昔に比べて肝臓がんの治療技術も格段に向上しています。
きちんと検査をして早期発見をし、適切な治療を受けていくことが大切なのですね。

今はまだ肝臓がんなど思いもよらないという人が多いと思いますが、まずは肝炎ウィルスの血液検査を受けましょう!


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