緑のカーテンの効果って本当にあるの?温度をゴーヤで測定
2017/01/01
緑のカーテンは、各自治体などでも推進しています。
一体、緑のカーテンにはどんな効果があるのでしょうか?
そこでわかった意外な事実?!
実際の温度の変化を、ゴーヤを使った緑のカーテンで測定した結果などをまとめてみますね。
緑のカーテンの効果で温度はどうなる?
そもそも「緑のカーテン」とは何でしょうか?
緑のカーテンとは?
緑のカーテンとは、つる性の植物を支柱やネットに絡ませて大きく広げ、建物や窓を覆うような大きなカーテン状のものを作ることです。
自然の植物を用いますので、その葉っぱや茎が緑色をしており、「緑のカーテン」「グリーンカーテン」と呼ばれています。
緑のカーテンには、ゴーヤや朝顔など、様々な植物が利用できます。
緑のカーテンの効果は何?
緑のカーテンには、次のような効果があると言われています。
温度を下げる
まず、緑のカーテンは「日差しを遮る」効果があります。
日差しを遮ることができれば「陰」ができますので、その温度が下がりますね。
暑い夏の日に建物の陰に入るだけでも温度はかなり違いますが、緑のカーテンは植物のため、葉っぱから水分を蒸発させています。
なので、余計に涼しいのです。
省エネ効果がある
夏の日差しを遮断することで部屋の中が涼しくなれば、エアコンをつける頻度やその設定温度にも変化が出ます。
緑のカーテンを設置することで、エアコン使用頻度が減り、省エネにつながります。
地球温暖化防止に貢献する
緑のカーテンは植物なので、「光合成」を行います。
これによりCO2が削減し、地球温暖化防止に貢献するといわれています。
ゴーヤで作る緑のカーテンの効果
緑のカーテンの中での一番人気は「ゴーヤ」です。
緑のカーテンが初心者でも作りやすく、花も咲き、実が食べられるということで、「緑のカーテン=ゴーヤ」というくらいに普及していますね。
でも、このゴーヤ、本当に効果があるのでしょうか?
神奈川県川崎市高津区のゴーヤ効果
ゴーヤによる緑のカーテンの効果については、神奈川県川崎市高津区のデータがあります。
温度の測定結果やサーモグラフィの測定結果などがまとめられていますので、是非参照してください。
このレポートによると、以下のような効果が出ています。
・緑のカーテンがある窓とない窓・・・平均3.5℃
・日が当たる床の温度・・・・・・・・平均9.5℃
これだけ気温に差が出るというのは、やはりすごいですね。
川崎市は沖縄県那覇市と友好自治体なんですね。
それで、那覇市からゴーヤの種を分けてもらって、2008年から高津区役所でゴーヤによる緑のカーテンを栽培しているとのことです。
収穫されたゴーヤは、庁舎5階の「レストランたかつ」の期間限定メニューにもなっているということで、まさに見てよし食べてよし涼んでよしのメリットが得られています。
緑のカーテンの効果測定
その他の地域の自治体でも、緑のカーテンについて多くのデータが発表されています。
緑のカーテンの効果測定として、神奈川県横浜市南区のデータ をまとめると、次のようになります。
緑のカーテンによる効果測定
赤外線カメラによる温度測定
赤外線カメラで緑のカーテンの表面温度を測定した結果です。
<南区I邸 8月4日10:10 気温29.2℃>
A: 32.9℃(緑のカーテンの葉の表側)
B: 35.3℃(窓:緑のカーテンあり)
C: 39.2℃(窓:緑のカーテンなし)
D: 36.4℃(壁:緑のカーテンあり)
E: 47.0℃(壁:緑のカーテンなし)
つまり、緑のカーテンによって、窓では約4℃、壁では約11℃、表面温度が下がり、環境創造局環境科学研究所が市内全域(62地点)で行った測定でも、晴れた日の日なたでは10℃位の温度低減効果があったと報告されています。
放射温度計による温度測定
区内16家庭で自宅の緑のカーテンの表面温度を測ったデータです。
<8月の計9日間 平均気温 最高33.1℃最低25.6℃ (区内サンプル数53の平均)>
1: 34.0℃(緑のカーテンの葉の表側)
2: 31.2℃(緑のカーテンの葉の裏側)
3: 31.8℃(窓:緑のカーテンあり)
4: 35.4℃(窓:緑のカーテンなし)
5: 30.2℃(床:緑のカーテンあり)
6: 36.0℃(床:緑のカーテンなし)
緑のカーテンの葉の表と裏では約3℃の違いがあり、
窓は約4℃、室内の床は約6℃下がったそうです。
教室の室温測定
小学校の教室の室温を測定した結果では、
<小学校の教室の室温測定結果>
・緑のカーテンのある教室は、ない教室に比べて、
最大1.4℃室温が下がった
ことが分かりました。
ただし西日の関係等で、この値は緑のカーテンの効果だけではないそうです。
室内外の気温測定
<計12日間、区内サンプル数19の平均>
・緑のカーテンのある部屋は、ない部屋に比べて
最大1.7度(15時)下がった
これは、冷夏と言われた平成21年でも効果が出ているそうで、また緑のカーテンの目隠し効果により窓を開けて風を通す涼しさも報告されています。
緑被率と心理的な効果
南区緑のカーテンプロジェクトのアンケートでは、以下のような<プラスの回答>と<マイナスの回答>の結果が出ています。
<プラスの回答>
・よく眠れるようになった
・気持ちよく汗をかくようになった
・体調が良くなった
・エアコンより気持ちよかった
・窓を開けるようになった
・エアコンを使う時間が減った
・蒸し暑さがなくなった
・室内の明るさが丁度よくなった
・育てる楽しみが増えた
・目隠し代わりになった
・ご近所とのコミュニケーションが増えた
<マイナスの回答>
・虫が発生した
・カーテンの育ちが悪かった
・外観が悪い
・部屋が暗くて鬱陶しくなった
・においが気になった
・出入りするのに邪魔だった
・つるが伸びたとき邪魔だった
緑のカーテンの窓面緑被率が約60%の時点で<プラスの回答>が増えるとのことで、同市は「緑被率60%」を提唱しているようです。
CO2削減効果
家庭エアコンから出る排熱は、ヒートアイランドだけでなく地球温暖化の原因にもなっているということです。
例えとして、2m×2mの緑のカーテンを2面作った場合、室内へ伝わる熱が抑えられ、8畳用エアコンを夏の間1台止められる試算になると報告されています。
<2m×2mの緑のカーテンを2面作った場合の効果>
・CO2削減量は130kg
=杉の木9本を植えたのと同じ効果
(試算:横浜市環境科学研究所)
まとめ
このように「緑のカーテン」の効果は温度の変化やその他事項でも大きなメリットがありますね。
各自治体では、「緑のカーテン」の普及啓発や拡大のために、講習会やコンテスト等を実施しています。
あなたもゴーヤなどで緑のカーテンを作ってコンテストにも応募し、その効果をご自分でも測定してみましょう。
お庭やベランダに作った緑のカーテンで、自宅の省エネにも、地球の温暖化防止など環境改善に役立つなんて素敵ですね♪
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