夏風邪に似て咳が止まらない カビによる肺炎の症状と予防対策
2017/01/01
夏風邪かなっと思っても、咳がなかなか止まらないときには要注意!
それは、カビが原因の肺炎かもしれません。
カビによる肺炎で代表的なものは2種類あって、どちらも6月から10月に症状が出て、11月には沈静し、また翌年発症するのが特徴です。
もしも、このような季節性の咳が毎年出るなら、カビによる肺炎を疑って、適切な治療を受けてください。
ここでは、なかなか咳が止まらない夏風邪に似た肺炎の症状と、その予防や対策について説明します。
夏風邪に似ていて、咳が止まらないのはカビが原因
梅雨の時期から夏、そして10月頃にかけて、なかなか咳が止まらないということはないでしょうか?
この症状は微熱や渇いたせきなどが出て、風邪に似ているので、つい「軽い夏風邪だ」と思ってやり過ごしてしまうことがあります。
でも、この梅雨の時期から起こる病気には、カビを吸い込むことが原因になって肺炎を起こし、やがて死に至るような怖いものがあるのです。
夏に咳が止まらないと思ったら、一度このカビによる肺炎を疑ってみましょう。
この梅雨の時期に一番注意したい病気です。
毎年夏にぶりかえす咳は要注意
このカビによる肺炎の大きな特徴は、それがいつ発症するかです。
患者の様子を注意深く見ていると、毎年同じ時期に発症することがわかります。
つまり・・・
カビが原因の肺炎の特徴
・6月~10月にかけて発症する
・乾いた咳が長引いて止まらない
・11月になると収まる
・翌年6月頃になるとまたぶり返す
つまり、梅雨の時期に増えやすいカビが原因で起こる病気なのです。
病気を見分ける方法
この病気にはもう1つ、よい見分け方があります。
家のカビが原因の場合、旅行先や会社では症状が起こらず、家や自分の部屋に帰ってくるとせき込むということがあります。
夏風邪であれば、どこにいても同じ症状が続きますが、場所によって咳が出たり出なかったりするようであれば、要注意です。
カビによる肺炎の種類と症状
カビが原因で起こる肺炎には以下の2つがあります。
アスペルギルス症
【症状】微熱、せき、たんなどの普通の風邪に似ている症状で、これが長く続く
この「アスペルギルス」というカビ菌が怖いのは、カビが肺の中で肺組織を壊しながら増えていくということです。
この菌は通常の家庭の中にいて、健常な人なら多少吸っても大丈夫でも、子供や高齢者、ガン治療中の人、ステロイド投薬中の人などには強い感染力を持ちますし、夏バテなどで弱った身体にも要注意です。
この病気を放っておくと、肺組織を壊して肺に穴が開いてしまうこともあり、死に至るケースもあります。
夏型過敏性肺炎
【症状】微熱や渇いたせきや痰などが出て、風邪と似ている
夏型過敏性肺炎は、「トリコスポロン」というカビが原因で肺にアレルギー性の炎症を起こしてしまう病気です。
この過敏症の肺炎を毎年繰り返して起こしていると、だんだんに肺が硬くなって呼吸が困難になってしまい、やはり死に至る場合もあるので、おろそかにはできません。
それでなくても、咳が続くと喉も痛く、寝れないこともあり、長引くと体力も消耗します。
乳児や子供の場合は発熱して高熱が出ることもあり喘息のようにもなります。
病気の予防にも家のカビ対策が重要
アスペルギルス症も夏型過敏性肺炎もとても怖い病気です。
でも、早期に発見できれば、薬で治すことができます。
・アスペルギルス症には、真菌症の薬が効きます。
・夏型過敏性肺炎には、アレルギー反応を抑える薬が効きます。
夏風邪かな?と思っても油断せず、いつもこの時期に咳が出るとか、昨年もこの時期に咳き込むことがなかったかなど、よく思い出してみましょう。
そして、少しでも疑わしいと思ったら、すぐに病院で検査をしてもらって適切な治療を受けてください。
原因のカビを退治しよう!
そもそもこのアスペルギルス症も夏型過敏性肺炎も「カビ」が原因なのですから、治療は医師に任せるとしても、自宅でのカビ処理が一番の予防であり対策となります。
カビはじめじめとした湿度と温度があると増えてきます。
その意味で一番危ないのは「お風呂」です。
浴槽を使ったら、換気をよくして「乾かす」ことが大事です。
またこのとき、浴室や洗面所のドアを開放してしまうと他の居室内に湿気が蔓延しますので、ドアを開けるときにはほんの少しにして、翌朝まで換気扇を回して換気してください。
また、洗濯機の蓋は閉めずに開けておくほうがよく、靴もすぐに靴箱にしまわず、しばらく乾かしてからしまうようにしてください。
一般には、古い木造の家屋ほどカビの発生は多いようです。
木材などを多用していて、それが古く腐ってくるとそこにカビが発生するからです。
ところが、最近では新しい建物でもカビの発生が起きています。
それは密封性が良すぎる場合で、夏も冬もエアコンで温度調整をして窓をなかなか開け放すことをしないような家屋の場合に、カビが発生します。
室内は、無水エタノールやアルコール消毒で除菌していきましょう。
床下湿気や押入れ、結露等にも注意し、窓際のカーテンも取り換えましょう。
また、敷布団やベッドのマットレスなどにカビが住み着いている場合は、日光に干すことで余計に蔓延してしまうこともあります。
あまりに古い布団は買い替えるなどしてください。
とにかく、空気を乾燥させて除湿し、カビ菌を退治することが大切です。
まとめ
夏風邪かなと思っても、咳がなかなか止まらないときには、このカビによる肺炎を疑ってください。
そして、症状が慢性化する前にできるだけ早く受診しましょう。
家でできる予防と対策としては、とにかくカビを増やさないことです。
早めにカビ対策をして屋内を清潔にしていきましょう。