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離婚の慰謝料と財産分与は別!相場と税金を知って損しない

2017/01/01

離婚を考えるとき、「慰謝料」「財産分与」のこともきちんと協議しておく必要があります。

「慰謝料を出したのだから、財産分与はない」とか「慰謝料を貰う側は財産分与しなくてよい」など、相手の言い分を鵜呑みにして、間違った認識をしていては損をします
「慰謝料」と「財産分与」は別のものです。
ここでは、その認識を深め、離婚時の相場とそれに税金がかかるのかどうかを把握しておきましょう。

 

離婚の慰謝料と財産分与

離婚の「慰謝料」「財産分与」は別のものです。

まず、この違いを知りましょう。

慰謝料とは

芸能人の離婚などでは大きな金額の慰謝料が支払われてニュースとなることがありますが、この慰謝料とは一体なんなのでしょうか?
そして、男性と女性のどちらが支払うものなのでしょうか?

慰謝料とは、「配偶者の行為で離婚のやむなきに至った場合の精神的苦痛に対する賠償」です。

つまり、家庭内暴力や浮気などで離婚となった場合、その原因を作った方が、精神的苦痛を受けた方に支払う「損害賠償金」なのです。

だから離婚に至った状況で、男性から女性に払う場合も、また逆の場合もあり、その金額もさまざまです。

財産分与とは

これに対して、財産分与とは「婚姻中に夫婦で築いた財産の分配」です。

夫婦で一緒に購入した家や自動車、預貯金、保険などの、いわゆる「財産」を、その貢献度に合わせて分配するものです。

ここでよく、「家の名義が夫だけの場合、妻側に権利はない」などの誤解もありますが、大丈夫です。
このような財産は、結婚期間中に夫婦で協力し合って形成し維持してきたものであるので、その名義いかんに関係なく「夫婦の共有財産」と考えるからです。

ところで、この「財産分与」はあくまでも2人の財産を分配しようというものですので、離婚の原因や慰謝料とは関係のないものです。
ですから、浮気をして慰謝料を支払うのが妻側であったとしても、夫の持ち家の分配は受けられることになります。
つまり、妻側の非で離婚に至りその「慰謝料」を支払うのが妻側であった場合でも、この「財産分与」は夫に請求することができ、協議して相殺に持っていくことができます。

ただし、財産の中でも、この「財産分与」の対象になるものとならないものがあります。

財産分与の対象になるもの(共有財産)

「共有財産」は財産分与の対象となります。

一般に、家や土地などの不動産、家具や家財、預貯金、車、有価証券、保険解約返戻金、退職金などがあり、つまり結婚期間中に、夫婦が協力し合って作った「共有財産」は、財産分与の対象となります。

このとき、名義が共有であるか単独であるかは関係ありません。

もちろん、貢献の度合いに応じての分配ですので、退職金などは婚姻期間が長いほど分配率が高くなります。

財産分与の対象にならないもの(特有財産)

夫婦どちらかだけの「特有財産」は、財産分与の対象とはなりません

財産分与の対象にはならない財産として一般的なものは、独身時代に貯めた定期預金や親から相続した不動産などです。
これらは、「婚姻」によってお互いが協力しあって築いた財産ではなく、婚姻や夫婦の協力とは無関係に取得した財産だからです。

ただし、その維持のためにお互いが協力したのであれば「共有財産」となります。

また、離婚前の別居期間に個々に取得した財産も、「共有財産」とはなりません。

財産分与の分配率

財産分与対象の財産であっても、一律に半分というわけではありません。
先にも書いたように、あくまでも「貢献の度合い」が考慮されます

つまり、永年勤続の退職金であったとしても、婚姻期間が長ければ、専業主婦側にも貢献度があるとして約半分など高い分配率となりますし、壮年になってからの婚姻ではそれほどの率とはなりません。

また、夫側の収入が、夫独自の高い専門性や希少性による場合には、妻側の比率は低くなります。

扶養的財産分与とは

それでも、離婚時に夫婦の片方が病気だったり、経済力に乏しく生活に困窮しそうな場合には、その生計を補助する意味で、「扶養的財産分与」がされることもあります。
また親権によって、「子供の養育費」が支払われることもあります。

マイナスの財産(債務)

離婚時に借金がある場合はどうでしょうか?
これも「共有」か「特有」かによって変わってきます。

夫婦の共同生活を営むために生じた借金であれば、これは夫婦共同の債務ですから当然マイナスの財産も分与されます。
逆に、片方だけの遊行費などで借りた借金などは、考慮する必要はありません。

 

離婚の慰謝料と財産分与の相場はいくら?

さて、気になる離婚の慰謝料と財産分与ですが、これって相場があるのでしょうか?

答えは、あくまでも本人達の財産次第ですし、離婚原因や貢献の度合いによっても違ってきます。

アンケートにみる慰謝料や財産分与の総額

高額な所得を持つ有名人の場合は、法外な慰謝料や財産分与がされる場合がありますが、一般の家庭であれば、相場でいってもそれほど大きな金額にはなりません。

離婚時の慰謝料や財産分与の総額

0~100万 26.2%
100~200万 15.1%
200~400万 16.7%
400~600万 8.7%
600~1000万 9.1%
1000~2000万 6.2%
2000万以上 3.1%
不明 14.8%

つまり、離婚時の慰謝料や財産分与の総額は、相場でいくらというものではなく、あくまでも相手の支払能力あってのものです。

離婚の原因が相手にあり、離婚後あなたが経済的弱者になるとしても、相手に支払うべき財産がなければ分与することができません。

 

離婚の慰謝料と財産分与に税金はかかる?

さて、それでも離婚が成立し、それなりの慰謝料や財産分与がされるとします。
このとき、「税金」ってかかるのでしょうか

基本的に離婚の慰謝料や財産分与は無税

結論から言うと、基本的に離婚の慰謝料や財産分与は無税となっています。

「慰謝料」は損害賠償金です。
だからこれは「贈与税」の対象ではなく「所得税」の対象になります。
しかし、所得税法上で損害賠償金は非課税扱いとなるため、離婚時に相手から慰謝料を貰っても、原則として所得税はかからないことになっています。

また「財産分与」については、夫婦の協力で築きあげた財産を2人で分けるためのものですので、もともと2人のものであったという前提から、離婚を機に明確に分与しても「贈与税」はかかりません。

贈与税がかかる場合

ただし、以下のような場合には「贈与税」がかかるので、注意してください。

分与された財産が過大な場合

たとえば、分与された財産が過大な場合は課税されます。

それが過大か過小かの判断は、婚姻中に築いた財産の価格や協力・貢献の度合い、同居別居等々、さまざまな観点から判断されます。

離婚が相続税逃れの場合

贈与税や相続税を逃れるために、いわゆる「偽装離婚」をする夫婦もいます。

離婚がこの偽装離婚で、あくまでも贈与税や相続税を逃れるために行われたものだと判定されると、単なる贈与として「贈与税」が課せられます。

離婚が相続税逃れの場合

離婚によって得たものが贈与ではないと証明するためには、その証拠をきちんと残しておくべきです。

財産分与の証拠資料を残す方法は、家庭裁判所で「離婚調停」をしてもらうのがよいでしょう。
離婚調停が成立すると「調停証書の正本」が発行されますので、それが証拠資料となります。

「協議離婚」の場合は、財産分与に関して公証人役場で「公正証書」の認証を受け、証拠資料とすることもできます。
一般には「協議離婚」は全体の約90%と言われていますので、こちらの方法で対応するとよいでしょう。

どちらの場合も手間や時間はかかりますが、離婚を急いで、貰えるべき慰謝料や分配を貰わずその後生活に困窮しても困ります。
また、その上で「贈与税」の追い打ちがかかるといけません。

結婚や離婚は損する得するというものではありませんが、離婚後の生活もきちんと送れるように、やれるだけのことをやっておきましょう。

 

まとめ

せっかく縁あって結婚した2人が分かれるのは辛く悲しいことですが、「離婚」という結論が出たのであれば、あとは前向きに対応していくのみです。

知らなかったばかりに、法律で守られている権利を放棄したり、後から課税されて、ますます生活が困窮することがないように、把握と対応をしていきましょう。


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