スーパームーンは地震に因果関係あり?過去事例から2016年11月に警鐘

2017/01/01

スーパームーンが最大化する「2016年11月14日」が近づいている。

ただ、この68年ぶりの大接近では、大地震や大災害の危険性も指摘されており、ただただ神秘的で美しい天体観測ショーでは済まなそうだ。

大地震とスーパームーンに因果関係はあるのか?

ここでは、過去の事例をもとに2016年11月14日を検証する。

 

スーパームーンで懸念される大地震に因果関係はあるか?

「スーパームーン」とは、地球を回る月の周期の関係で、太陽・地球・月が一直線に並ぶときに見られる満月のこと。
それが、この2016年11月14日には、最も最大化するエクストリーム・スーパームーンになるということで、話題を集めている。

2016年には4月22日にもスーパームーンが見られたが、このときには月と地球の距離が最も離れたスーパームーンであった。
ところが今回の2016年11月14日にはその14%も大きくなった満月になるということだ。

実は、このエクストリーム・スーパームーン。
ここまで月が地球に接近するのはなんと68年ぶり。
大きなスーパームーンがみられるというだけでなく、その因果関係から大地震や大災害を予見する声も大きくなっている。

 

スーパームーンと大地震の過去事例

それでは、スーパームーンと大地震の因果関係が本当にあるのか、まず、過去の事例を見てみよう。

「海面潮汐」は陸地でも起こる!

月の接近が海の潮の満ち引きを引き起こしているのは誰でも知っている事実である。
それが大接近ともなれば、その影響力が大きくなることは当然である。
実はこの「海面潮汐」、海上のみならず陸地でも起こっているという。

武蔵野学院大学の島村英紀・特任教授によれば、「実は陸上でも潮汐は起きている。私たちが体に感じないだけで、月と太陽の引力によって、地下の固い岩盤は30センチ程度浮き上げられているわけだ。月と太陽による引力そのものは、地震を引き起こすほど強いものではない。しかし、地下でひずみが発生し、地震が起こりそうになっている場所では、この引力が最後のひと押しになることは十分に考えられる。」ということだ。

過去事例にみるスーパームーンと大地震の因果関係

2014年8月11日のエクストリーム・スーパームーンの前日、青森県東方沖でM6.1の大地震が起きた。

それだけでない!
なんと、2011年3月19日のエクストリーム・スーパームーンでは、その8日前である3月11日に、あの東日本大震災でM9.0の大地震となった。
またこのときには、7日前の3月12日に長野県北部(M6.7)、3月15日に静岡県東部(M6.4)5日後の3月24日にはミャンマー(M6.8)の大地震も起きている。

それでなくても、満月や新月の日には災害が起こりやすいが、特にこのエクストリーム・スーパームーンには注意が必要であるらしい。

スーパームーン前後の大地震

  • 1948/01/26(1日前)1/25 フィリピン、パナイ島(M8.2)
  • 2005/01/10(14日前)12/26 スマトラ島沖地震(M9.3)
  • 2010/02/28(1日前)2/27 チリ・マウレ地震(M8.8)
  • 2011/02/18(4日後)2/22 ニュージーランド、カンタベリー地震(M6.1)
  • 2011/03/19(8日前)3/11 東日本大震災(M9.0)
          (7日前)3/12 長野県北部(M6.7)
          (4日前)3/15 静岡県東部(M6.4)
          (5日後)3/24 ミャンマー(M6.8)
  • 2014/08/11(8日前)8/3 中国雲南省(M6.5)
          (1日前)8/10 青森県東方沖(M6.1)
  • 2015/07/31(3日前)7/28 ニューギニア(M7.0)
 

2016年11月14日に起こるエクストリーム・スーパームーン

2016年11月14日に起こるエクストリーム・スーパームーン。

「エクストリーム・スーパームーン」とは

「エクストリーム・スーパームーン」とは、通常の「スーパームーン」よりもその威力や影響力が大きい。

スーパームーンとは、満月や新月のときに地球に最接近することで月の大きさが通常よりも大きく見える現象である。
その中でも、月が地球に最接近してから1時間以内に満月または新月を迎えると、通常のスーパームーンよりもさらに大きくなるため、この現象を「エクストリーム・スーパームーン」と呼ぶのである。

特にこの2016年11月14日に起こるエクストリーム・スーパームーンは、68年ぶりの大接近ということで、その影響力も懸念されているわけだ。

2016年9月に英科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に発表された東大の井出哲教授らの研究グループの論文がある。

それによると、井出哲教授らの研究グループが過去1万件以上の地震データを調べたところ、M8.2以上の巨大地震12例のうち9例が「大潮」の日に起きていることが判明したという。

大潮とは潮の満ち引きの差が一番大きくなる状態で、満月と新月の日に起こる。

2016年11月14日に起こるエクストリーム・スーパームーンは、68年ぶりの大接近で、この大潮にも影響する。

 

スーパー ムーン 地震 のまとめ

最近、スーパームーンと地震の因果関係がクローズアップされ、学会でも大きなテーマとなっている。

もともと潮の満ち引きに関係あるといわれる月の接近と、満月新月に多くみられる災害。
これら過去の事例をとっても、2016年11月14日の「エクストリーム・スーパームーン」に心配が集まるのも無理はない。

世紀の天体ショーが大災害につながらないよう、また何かあっても冷静に対応できるよう、心して2016年11月14日を迎えよう。


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