老後資金の必要額は夫婦でいくら?シュミレーションしてみよう。
2017/01/01
定年も間近になってくると、今後の老後資金が気になりますね。
この老後に必要な生活資金って、いったいどのくらいあれば足りるのでしょうか?
ここでは、夫婦2人暮らしの場合、老後資金の必要額がいくらくらいかかるのか、シミュレーションしてみます。
老後資金って今からの準備が必要なの?
老後の生活、収入がなくても心配なく生活をしていくには、老後資金が必要です。
老後資金っていくら必要?
夫や妻が今まで働いていた場合はそれなりに収入があったでしょうが、いずれどちらかが先に、そして両方が定年退職などで職を失うと、無収入になってしまいます。
それでも、子供の教育や住宅ローンなどはほぼ終わっている人が多いので、ほとんどの人は、老後は無理して働かず、公的年金や貯金だけで生活していこうとするでしょう。
ただ、最近では公的年金の開始時期の延期や金額などに不安もあります。
かといって急にたくさんの貯金ができるわけでもない。
また、病気の治療や入院などの機会も増えますので、そのための備えも必要です。
それでは、一体どのくらいの貯金をしておけば、老後は安心して暮らせるのでしょうか?
老後資金の必要額って夫婦2人で一体いくら?
夫婦2人の生活費は最低でも3000万円?
老後資金としてよく聞く金額は「夫婦2人の生活費は最低でも3000万円」というものです。
3000万円などと聞くと、「とんでもない大金」と思い、「うちはそんなに贅沢しないからそんなに多くはいらないはず」などと思いますが、ちょっと待って!
これは「最低必要」とされる金額なんです。
老後資金を3000万円として、60歳から85歳になるまでの25年間生活をするとしましょう。
すると、25年の平均額は、年間120万円?!
つまり、1か月10万円!
う~ん、これは本当に最低限の生活ですね。
さらに、自宅は持ち家でローンも終わっていることが前提です。
もしも、老後も賃貸住居に住むとか、治療中の病気があるなどの場合であれば、それらは現状を上乗せして考えなければなりません。
せっかくの老後。
旅行や趣味もしたいですし、おいしいものも食べたいですよね。
「老後資金1億円」の根拠
かたやメディアなどで「老後資金は1億円必要」と聞いて、自分とは無縁のブルジョワの話と思っている人も多いでしょう。
でも、これも25年で計算してみると、年間400万円。
つまり1か月33万円です。
平成25年度に行われた生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」では、夫婦2人の老後として、ゆとりのある生活をしようとすると、その生活費は35万4000円と試算しています。
つまり、ゆとりある生活のためには1億円以上かかるわけです。
夫婦2人の生活費は平均で7500万円?
実際の生活は各家庭でそれぞれ違ってきますが、おおよそ1か月25万円くらいが平均額となるようです。
すると、年間では300万円、25年間で7500万円となります。
1億まで行かないまでも、それほどの贅沢をするわけでないのに、やはりかなりの金額が必要ですね。
老後資金の算出には、退職金や公的年金の金額を調べよう。
「そんなお金、あるわけがない!」
でも、今貯金がないとしても、落ち着いて考えてみましょう。
公的年金の金額と支給年月を知る
まず、ご主人やあなたの公的年金を調べましょう。
日本国民はみな国民年金をかけていますし、一般のサラリーマンの場合は厚生年金も降りてきます。
専業主婦で税金を払ったことがない人でも、国民年金では「サラリーマンの妻」など第3号として、要件を満たしていれば、老齢年金が支払われます。
これが、開始時期が60歳から65歳に引き上げられたりで、昔ほどの恩恵はなくなってきているし、今後の支給に保証はないので不安ですが、それでも、年金が入ってくるのは助かります。
国民年金からは定期的に、あなたの年金額をお知らせする封書が届いているはずですので、まず、それを確認して、あなたやあなたの配偶者が「いつから」「いくら」もらえるのか、それを確認しておきましょう。
国民年金からのお知らせが来ていない、見当たらない、という場合には、日本年金機構が提供している「ねんきんネット」というHPで確認もできますし、直接年金事務所に聞いてみるのもよいでしょう。
退職金の額を知る
また、サラリーマンや公務員の場合は、定年退職時に退職金が支払われます。
個人の自営業者であっても組合の退職手当など、なんらかの手立てをしている人もいるでしょう。
これらは勤務先の企業や業種、働いていた年数などによってもその金額が大きく異なってきますので、今のうちに、おおよその金額を把握しておきましょう。
一般に数百万から数千万円の退職金があるものです。
個人年金の有無や支給額を知る
あと、給与からの天引きで個人年金をかけている人も多いです。
自分で加入したり貯金したりしている自覚がない人でも、入社当時に勧められて年金貯金をしていたり、確定拠出年金で自動的に積み立てられていることもあります。
その他、共済や健康保険、その他で、退職時に支給されるものがないか確認しましょう。
老後資金の必要額をシュミレーションしてみよう。
自分や配偶者の退職時に入る退職金や、公的私的な年金額がわかれば、老後に必要な資金もシミュレーションできます。
今から貯金すべき金額を知ろう!
まず必要な老後資金を算出する
(1)月平均の生活費を想定し、300倍する(12か月×25年分)
(2)病気など万一の非常資金として300~500万円を想定する。
この(1)と(2)の合計額があなたの老後資金の必要額となります。
結構大きな金額ですね。
退職金や年金などを差し引く。
・退職金、個人年金の合計額(ローン等返済後の金額)
・公的年金の合計額(年額x25年分)
・すでに持っている預貯金
これらを上で求めた老後資金の合計額から差し引きします。
ここで、住宅ローンの返済やその他借入金などがあれば、すべて返済した後の残金で考えてください。
また、公的年金の支給開始は生年月日によって段階的に延期されていますので、定年後から支給開始までの期間は年数を減らして計算してください。
すると、あなたに不足している老後資金の総額が出てきます。
これを今の収入のあるうちに貯金しておけばよいわけです。
現在・将来にわたって生活可能な生活をしよう
今は元気で収入もあるからと貯金もせずに使ってしまうと、この老後資金は貯まりません。
逆に不安だからと爪に火をともすような生活をしなくても、それなりの老後は暮らせるのかもしれません。
まずは、自分たち夫婦が無収入になっても困らずある程度のゆとりをもって生活できる老後資金を把握しておきましょう。
そして、その不足分を今から少しづつ貯金していけばよいのです。
大事なのは、現在と将来にわたる安定したバランスです。
老後資金 必要額 のまとめ
さて、あなたたちご夫婦の老後資金の必要額はわかりましたか?
そして、今の貯金で十分なのか不足しているのかも把握できたでしょうか?
老後資金の金額は夫婦でどのような生活をしていくかによっても異なりますし、退職金や預貯金、年金の額によっても大きく違ってくるものです。
1口に3000万円とも1億円ともいえないのは、上記の計算でわかりますね。
大切なのは、あなたにとっての金額がいくらなのかを知ることです。
公的年金額、個人年金額、退職金額、現在の預貯金を元に、まずは、自分たちの老後資金をシュミレーションしてみましょう。
そして、不足金額を今から少しづつ貯金していきましょう。