喪中の人に暑中見舞いはマナー違反?気をつけたい時期と文例

2017/01/01

喪中の人に暑中見舞いはマナー違反なのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。

ただ、お相手の方はまだまだ悲しみが癒えていなかったり、
葬儀や49日の法要、初盆などで、忙しくされているかもしれません。

暑中見舞いは相手を気遣って出す夏の挨拶です。
喪中の方に暑中見舞いを出すときには、時期と文例を参考にしてください。

 

喪中の人に暑中見舞いはマナー違反?

喪中の人に暑中見舞いを出していいのか悪いのか、と悩む方は、
多分「喪中の人に年賀状は出さない」ことを知っていて、
「それなら暑中見舞いも同じかな?」と思われての疑問でしょう。

結論から言うと、「暑中見舞い」は喪中の方に出してもマナー違反ではありません

年賀状と暑中見舞いの違い

年賀状の場合

喪中の方への挨拶状として、「年賀状を出さない」というのは、
かなり認知された常識です。

でも、本来は、喪中の方が「お祝い」を申し上げるのが相手にとって失礼だから「欠礼」するというもので、喪中の方に挨拶をしてはいけないというものではありません。

しかしだからといって、喪中と知っていて新年の挨拶をすると、お相手の方もお返事にお困りでしょうし、自分が挨拶ができないということで悲しみを増されてしまう場合もあります。

喪中と知らずに挨拶をしても致し方ないことですが、喪中と知っているのであれば、「新年の挨拶」=「年賀状」は避けるのが常識です。

喪中の方は「お祝いごと」を慎みます。

年賀状は「おめでとうございます」と書きますので、お祝い事です。
喪中の方には、新年のご挨拶は遠慮した方がよいでしょう。

暑中見舞いの場合

これに対して、「暑中見舞い」はその名の通り、暑い時期に相手の体調などを気遣うための「お見舞い」です。

「おめでとう」という言葉は出て来ず、「健康に気をつけてお過ごしください」「ご自愛ください」と書きますね。

だから、喪中の方に対して「暑中見舞い」を出すことは、決してマナー違反ではありません。

考えにくければ、冬に「年賀状を出せない」ときに代わりに出すもの(挨拶状)を思い出してみましょう。
そう、それは「寒中見舞い」ですね。

喪中の方に出す場合、新年のお祝いは避けるので、冬場の気遣いとして「寒中見舞い」を出します。

それが夏になれば「暑中見舞い」となります。

「暑中見舞い」には「おめでとう」という言葉は出てきません。

喪中の方にも安心して、お出しください。

 

喪中の人に出す暑中見舞いの時期に注意

ただし、喪中の方に暑中見舞いをお出しするならば、時期には気をつけた方がよいでしょう。

本来、暑中見舞いや残暑見舞いを出す時期

まず、一般的な暑中見舞いを出す時期を知りましょう。

暑中見舞いを出す時期で一般的なものは次のとおりです。

    暑中見舞いを出す時期

  • 夏土用(夏の土用の日~立秋の前日)
      2016年は7/19~8/6
  • 小暑~立秋の前日
      2016年は7/7~8/6
  • 梅雨明け~立秋の前日
      2016年はおおよそ7/19頃~8/6

つまり、7月に入り七夕も終わって暑さが本格化してくる頃から立秋までの間です。

暦の上で「立秋」と言っても、その頃が一番暑い時期。

ですが、「立秋」を過ぎると、「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」となります。

    残暑見舞いを出す時期

  • 立秋~処暑
      2016年は8/7~8/23

喪中で避けたい時期

さて、喪中の人にも暑中見舞いはお出しできるとはわかっても、相手を気遣う挨拶状であればこそ、喪中の方の状況は考える必要がありますね。

喪中と言っても大分日が経っているような場合は、特に気にせずいつもどおりに「暑中見舞い」や「残暑見舞い」をお出しして構いません。

ただ、お悔やみごとがあってすぐであれば、お相手の方も夏の挨拶を取り交わす心の余裕もまだないので、暑中見舞いはお祝い事ではないにしても、喪中による忌服期間は避けた方がよいでしょう。

それでは、喪中による忌服期間とはどのくらいを言うのでしょう?

これは宗教や宗派によっても違うのですが、おおむね次のようになります。

・神道の場合=30日
・仏教の場合=おおむね、四十九日を「忌明け」とするので、49日
・儒教の場合=1年間

年賀欠礼は、この儒教の考えが発展したものですね。

日本では仏教が主流ですので、まず「四十九日」を目安に考えましょう。

お相手の方のご不幸から49日経っていれば、失礼にはなりません。

逆に、つい先日ご不幸があったばかりというのであれば、せめて四十九日を超えるまで挨拶はご遠慮しましょう。

このとき、暑中見舞いでなくても、残暑見舞いの時期であれば、時期をずらすのもよいでしょう。

6月中までのご不幸であれば残暑見舞いも出せますが、7月になってからのご不幸であれば、まさにまっただ中なわけですので、その年は暑中見舞いを出されなくてもよいでしょう。

 

喪中の人に出す暑中見舞いの文例

喪中の人に暑中見舞いを出す場合には、いつもより文面に注意するとよいですね。

まず、ハガキの柄やデザインですが、カラフルで楽し気な絵葉書などは避けましょう。
白い無地やさりげない模様が入っている程度のものが適切で、華やいだ雰囲気や遊び気のあるものは慎むようにしましょう。

また、文面にも注意が必要です。

ご不幸から大分日が経っている場合や、亡くなられた方がご親族とは言ってもご本人とあまり交流のない方の場合には、くどくどとお悔やみを申し上げる必要はありません。

でも1~2親等などの場合は、何事もなかったかのような文面はかえって失礼です。

お相手は、夏の暑さだけでなく葬儀やさまざまな手続き等で、余計にお疲れになっていることでしょう。
また、少し落ち着かれて逆に淋しさが増してきている頃かもしれません。

次のような文例を参考にしてください。

暑中お見舞い申し上げます。

厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

○○様がご逝去なさって○月。
ご家族のみなさまにおかれましては、お淋しい日々をお過ごしかと存じます。

謹んでお悔やみを申し上げますとともに、○○様のご冥福をお祈り申し上げます。

暑さ厳しき折、どうぞ、お身体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

暑中お見舞い申し上げます。

○○様がご逝去なされて、ご家族の皆さまのお気持ちをお察しいたします。

特にこの暑さでは、お疲れも出やすいことと案じております。

これからますます暑い日々が続いてまいりますので、
どうか、あまり無理をなさることなく、ご自愛ください。

謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます。

 

まとめ

喪中の人に暑中見舞いなどをお出しするのはいろいろと気を使いますね。
でも、そんなときだからこそ、自分を気遣ってくれるあなたの存在を嬉しく心強く思ってくださることでしょう。

暑中見舞いは年賀状と違って、喪中のお相手にもお出しできます。

だからこそ、相手を気遣うのがマナーです。
送る時期や文面に気をつけて、相手の方の心の癒しになるよう、元気にお過ごしいただきたいとの願いを込めて送りましょう。


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