八戸せんべい汁の作り方と味付け!歴史と経済効果を研究所が明かす

青森県の郷土料理「せんべい汁」。
その中でも、特に八戸せんべい汁が有名です。

ここでは、八戸せんべい汁の美味しい作り方と、味付けのバリエーション、そして歴史的な食文化とその経済効果について説明します。

美味しい八戸せんべい汁を食べながらお読みください。

 

八戸せんべい汁のおいしい食べごろはアルデンテ

まずは、せんべい汁の説明と、美味しい食べ方について説明します。

八戸せんべい汁とは

八戸せんべい汁とは、肉や魚、野菜やキノコ類などのお鍋の中に、南部せんべいを割って煮込んで食べる、青森地方の郷土料理です。

「えっ?おせんべい?」
と驚くでしょうが、このせんべい汁に使われるせんべいとは、小麦粉と塩で作られた「おつゆせんべい」と呼ばれる汁物専用に作られたもので、長時間煮込んでも溶けにくく、食べると独特の食感の鍋用せんべいです。

南部せんべいには豆やその他の食材が入ったお菓子としてのせんべいもありますが、このせんべい汁用の南部せんべいは、色も白く、小麦粉だけで作られています。

せんべい汁のせいべいの食べごろはアルデンテ

このせんべい汁のせんべい。
かなり煮込んでも型崩れせずにおいしく食べられますが、あまりに煮込んでドロドロなのも、逆に硬すぎなのもイマイチです。

このせんべい汁のせんべいが一番おいしいとされるのは、そう、パスタでいうところの「アルデンテ」です。

つまり、ちょっと芯が残った程度の柔らかさというところですね。

しっかり煮込まれたせんべい汁のせんべいには、美味しいお鍋のつゆや出汁がたっぷりを吸い込まれていて、せんべいを噛むと、その旨みがじわっとお口いっぱいに広がります。

そして、シコシコとした食感がこれまた美味しいんです!

 

八戸せんべい汁の美味しい作り方と味付け方法

ここでは、美味しいせんべい汁の作り方とその味付けについてご紹介します。

せんべい汁の作り方

せんべい汁の作り方自体はとても簡単で、お好きな具材を煮込んで出汁の出ているお鍋に、八戸せんべいを3つくらいに割り入れて煮込むだけです。

このとき、丸い南部せんべいは、ベンツのマークのように上手に3等分できると、その技術も一人前とか。。。

八戸せんべいを研究している「八戸せんべい汁研究所(通称じる研)によると、「煮込み3年、割り8年」という標語もあるとか?(笑)

でも、きれいな3等分にならなくても、そこそこの大きさに割れれば、せんべい汁は十分に美味しいので安心してください。

そして、割り入れたせんべいをアルデンテで食べるのが美味しいです。

せんべい汁の代表的な味付け

八戸せんべい汁としてよく食べられているのは、次のような味付けです。

鶏肉を使った醤油系の味付け

    八戸せんべい汁の中でも一番ポピュラーなのがこの醤油味です。
    鍋に野菜やキノコやこんにゃくなどをたっぷりと入れて、長ネギを散らして食べるのが一般的ということです。
    鶏の肉には、ご当地の軍鶏(シャモロック)が使われることも。
    また、鶏の代わりに鴨肉や豚肉を使うこともあるそうです。

魚貝を使った塩味系の味付け

    八戸は海の幸もおいしく、お鍋にもよく使います。
    魚はサバやキンキン・タラなどの白身の魚。
    ウニやカニなども使われるそうで、これは美味しい海鮮鍋になりますね。
    鯖の缶詰も食材として便利です。

馬肉を使った味噌系の味付け

    八戸は馬の産地でもあり馬肉鍋(サクラ鍋)も有名です。
    このときにはお味噌を入れて馬肉を堪能し、最後にうどんの代わりにせんべいを入れるそうです。
    せんべいがお鍋のシメになるということで、すき焼きや寄せ鍋、キムチ鍋などの鍋物にも、このせんべいが入ります。
 

八戸せんべい汁研究所による八戸せんべい汁の歴史と経済効果

さて、次に、このせんべい汁の歴史と経済効果についても説明しましょう。

せんべい汁の歴史

このせんべい汁ですが、なんと200年以上の歴史があるということです。

昔から南部せんべいは作られていましたが、八戸地方ではこの南部せんべいをお菓子としてではなく、主食として食べてきたのです。

2枚の南部せんべいで赤飯を挟んで食べる「赤飯サンド」なども昔から食べられてきたようで、なんともモダンな食べ方です。

それもこれも、この南部せんべいが、何かをはさんだりするにも、鍋に入れて煮込むのにも、ちょうどよい硬さだったからでしょう。

この南部せんべいはちょうどお皿のような形をしていますので、農繁期の野外での食事の際にはご飯やおかずの取り皿としても活躍したようで、なかなか使い出のあるおせんべいだったのですね。

せんべい汁の経済効果

さて、このせんべい汁ですが、どのくらいの経済波及効果があるのでしょうか?

総務省がまとめた「緑の分権推進会議」分科会の報告書によると、「平成22年度の八戸せんべい汁の経済波及効果は、約563億円」ということです。

その内訳は、
 ・直接的効果額(飲食、購買、宿泊、交通など)---約376億5500万円
 ・間接効果---約186億5600万円
 ・広告・宣伝効果---約1億円
というから、すごいです。

 

八戸のせんべい汁 のまとめ

さて、歴史ある八戸せんべい汁の美味しい作り方や食べ方、味付けの仕方などはわかりましたか?

八戸せんべい汁研究所による歴史や経済効果の研究や活動もとても興味深く、ますますこのせんべい汁が食べたくなりました。

私が食べた「通販で買えるせんべい汁とシャモロック肉」は、こちらの記事でも紹介していますので、参考にしてください。


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